岐阜県中津川市千旦林に名牛「安福」号の威徳に感謝し、牛達の供養のために元肥育農家が「安福観音」を建立されています。建立された方は、中津川市千旦林において長年和牛肥育経営をされてきた故赤尾栄作、ゆきご夫妻です。
赤尾さんは昭和30年代より平成の初めまで三十数年間和牛肥育経営を営まれていました。岐阜県が昭和56年に兵庫県より導入した「安福」号が飛騨牛の改良に著しい実績を上げ、安福産子の肉牛が高値で取引され、その生産に大いに励みがついたことが生涯忘れ得ぬ思い出となられました。
赤尾さんが喜寿を過ぎた頃から、夜毎夢枕に「安福」号が現れ、「私は人間の為に我が身を犠牲にして尽くしてきましたから、供養して下され」と申されたと書かれています。
多くの牛を育て、出荷のたびに別離の情の切なさを感じられてきました。他界へいったら人間一同を見守って下さい。そして、あらゆる人に幸福を与えて下さいと念じておられたそうです。この願いが牛の霊に通じ夢枕にたったものと書かれています。
そして平成元年に、数々の牛の供養のため、世界の平和と人類の幸福を祈るために「安福観世音菩薩」像を建立されました。安福観音像は元牛舎の前、赤尾さんの自宅の庭に、北に御嶽山を背負い南向きに建立されております。
今年は、第10回「全国和牛能力共進会」の年でもあります。また、「リニア中央新幹線」の岐阜県駅が当地域のJR中央線「美乃坂本」駅近くに設置される予定です。
近くへお越しの際は是非お参りし、牛達の供養と共に長崎全共の必勝を祈願してください。
赤尾さんの詠まれた歌碑
安福観音様にお参りし
毎日楽しく生き甲斐持って
いつもニコニコ布袋像
百姓仕事に精を出し
大空遠くお岳眺めて生きる喜び
安福観世音像